Unityアセットレビュー:ArchVizPRO Interior Vol.3
前回のエントリに続き、今度は、同じパブリッシャー様のArchVizPro Interior Vol.3を見ていきます。
今回もインポートファイルの中にArchVisPRO_InfoというマニュアルPDFが同梱されているので読んでおくとよいでしょう。
マニュアルにも記載されていますが、プレビュー再生するために必要な関連パッケージインポート作業については前回のVol.5レビュー記事を参考にしてください。
その他、Vol.5マニュアルには書かれていなかった事項としては、Edit > Project Settings > Player でDeferedとLinearを使えと書かれています。
Other SettingsのColor SpaceをGammaからLinearに変更してみた。画面が明るくなったように思う。※Vol.5のレビュー記事のキャプチャ画像が少し暗い感じだったので、Vol.5の場合もLinearにすればよかったのかもしれません。
同じパネル内にDeferedに設定する箇所は見当たらなかった。FirstPersonCharacterに付いているCameraコンポーネントのRendering PathはDeferedになっていたのでこれで良しとする。
また、Unity2018を使っていた私の場合、昔のUnityではビルトインでサポートされていたSubstanceマテリアルが非対応になっているので、AssetStoreから追加でSubstance in Unityを取得しインポートした。
つまりこのパブリッシャーの3DモデルのマテリアルはSubstanceDesignerで作られているのか~。参考になりました。
最後に、Vol.5とVol.3を同一プロジェクトにインポートした時、ExampleRenderScaleクラスファイルがバッティングするので、どちらかを消すなりリネームするなりすれば警告は解消できます。
ライティング
Area Light: 定石通り、窓と同じサイズのAreaLightを置いていた。Intensity=2、Indirect Multiplier=1というのはVol.5と同じなので、このパブリッシャーさんはこの設定が好きなのかもしれないですね。
Light Probe: 各部屋に設置してあります。
Directional light: 2種類設置されていて、片方はRealtimeの昼白光、もう片方はMixed設定の電球色でした。
両方のライトがONの時。
RealtimeのDirectionalLightだけをOFFにすると、カーテン越しの光が表示されなくなる。カーテンはCastShadow=OFFに設定されていました。
MixedのDirectionalLightだけをOFFにすると、部屋に差し込んでいた光と、窓枠の影が消えてしまいました。
両方のDirectionalLightをOFFにすると、カーテンは真っ黒。これはカーテンオブジェクトは(アニメーションさせるためなのか?)Static設定ではないためでした。ちなみにカーテンはShader Forge製のシェーダーを利用していました。
ライトマップパラメーター
ライトマップパラメーターが7種類ほど設定されています。まだ勉強途中なのですが、以下の記事
ではBaked GIではなく、Precomputed Realtime GIでの最適化解説をしているのですが、記事中のLightmap Parametersの解説ではResolusionはシーン全体のResolusionと乗算して算出されるので0.001~1ぐらいの値を用いているのですが、今回のVol.3では20という大きな値。今回のアセットはPrecomputed Realtime GIではなく、Baked GIを使っているので、その違いがLightmap Parametersの設定値にも影響しているのでしょうか。
ベイク
かなりパワフルなベイクをしてらっしゃいます。8時間ぐらいかかりそうだな…。
私がベイクすると、オブジェクトに変な影がかかってしまうことがあるのですが、ひょっとしたらLightmap Paddingをデフォルトの2から大きい値にすれば少し解消できるのかもしれません。今度やってみよう。
マテリアル
床は4096pxのテクスチャを使用していて、部屋ごとにオブジェクトは異なるのだけど、マテリアルはつながっているように綺麗に設定されています。
あとこのパブリッシャーさん、どのオブジェクトもノーマルマップをすごく上手に描かれています。おそらくSubstancePainterで作成されているのでしょうが、こんなに綺麗にノーマルマップが描けるとは驚きです。ひょっとすると、詳細な3Dモデルをもとにノーマルマップ作って、それを低ポリモデルに貼りつける作り方なんだろうか。
※ちなみに上の画像の電気スタンドは、電気スタンド自身のEmissionテクスチャとMixed設定のスポットライト2灯が混用されてました。
その他、ベッドの質感もすごくて、こちらもノーマルマップとAOマップが実に精巧に描かれていました。ZBrushでモデリングしてるのかなぁ?
メッシュ
例えば壁メッシュはCombineされています。ここから分かりますが、壁に描かれているロココ調の彫りはすべてノーマルマップで表現されているわけですね。
観葉植物は、Vol.5の観葉植物と同様、Nature/SpeedTreeシェーダーを利用しているようです。
このSpeedTreeというパブリッシャーさん、大木から雑草からサボテンなどなど、いろんな種類の植物アセットを販売されています。揃えると結構お金かかりますが。
※このArchVizProで使われているような観葉植物モデルが見当たらない気がするのですが?
ポストプロセス
Post Processing Stackはデスクトップ用はAOとDoFとUserLut以外はすべて設定されていて、BloomがIntensity=0.5,Threshold=1.1,Soft Knee=0.5, Radius=6, Anti Flicker=ONでかけられていました。
VR用のプロファイルは処理軽減のためでしょうか、上記よりも設定項目が減らされていました。
感想
私もSubstanceDesignerでのノーマルマップ表現を勉強しよう&植物はSpeedTreeを使えばいいのかな~という知見を得ました。